劔岳 点の記

久しぶりの映画。
明治40年を舞台にした、陸軍測量部が前人未到剣岳を測量する、というストーリー。
内容はともかくとして、ほぼ全てを実際剣岳でロケをする事で撮影された、という事が売り物らしい。

勿論、CG全盛期(これからさらに加速するであろうけど)の今の映画の風潮に対抗したもの、という事でもあるのだろうけど…
「やっぱり本物は違う」という言説そのものに対して、疑問を抱くわけではないけれど、それならば本物とは何なのか、という事を考えざるを得ない。演劇から映画を画する要素が「モンタージュ」なのだとしたら、オール現場ロケなんていうものは、それへの逆行になるのでは、という感想をどうしても抱いてしまう。

ふと、子供の頃に見た「美女と野獣」のオープニングの森の景色が、写真だとずっと思っていた事を思い出してしまった。